自動車(マイカー)ローンを利用するには、返済能力に問題がない事を確認するための審査を経て承認を受ける必要があります。自動車ローンは高額なローンであるため、審査は厳密に行われます。
自動車ローンを利用できなければ、場合によっては自動車は現金でしか購入できなくなります。そのため自動車ローンを利用したい場合は、事前に審査の内容を把握しておくことをおすすめします。
ここでは、そんな自動車ローンの審査について、審査の流れや審査内容、審査に通るための対策について紹介していきます。
自動車(マイカー)ローン審査の流れ

自動車ローンの審査の流れは、基本的にどんな銀行や会社であっても大きな違いはなく、まずは仮審査で主だった部分をチェックし、その後本審査に進むケースが多いです。
稀に仮審査なしで本審査を行う場合もあります。
より具体的に言うと、仮審査においては「申し込み者の状況(年収など)がローンの借り入れ金額に見合っているか」をチェックしています。
仮審査に時間を要するケースは少なく、早ければ当日中には結果が出ます。
仮審査が終わって借り入れ可能と判断されれば、本審査に進みます。本審査では実際に信用情報機関の情報も確認され、返済能力があるかどうかをより細かくチェックされます。
借入金額や金利なども、この本審査の時に正式に決定します。
在籍確認も行われる
自動車ローンを申し込んだ後には、勤め先に対して在籍確認が行われます。仮審査時と本審査時どちらで行われるかは、ローン会社によって違いがあります。
自動車(マイカー)ローンの審査内容

自動車(マイカー)ローンの審査で主に審査される項目としては、以下のようなものがあります。
- 個人の属性(勤続年数/雇用形態/年収など)
- 返済負担率・他社からの借入れ状況
- 延滞や金融事故等がないか
これらの項目に対して、銀行やローン会社などが自社で設定している合格基準に達していない項目があると、審査に落ちてしまいます。
個人の属性
マイカーローンの審査にあたり、その人の属性は必ずチェックされます。具体的なチェック項目を挙げると、その人の年収や勤続年数、雇用形態、年齢等です。
- 年収
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言うまでもないですが、年収が高ければ高いほど信用度が高くなりやすく、借り入れ可能な金額も大きくなります。
年収の額だけではなく、その年収が安定収入であるかどうかも審査されるポイントになります。
年収が低くても審査に通らないわけではありませんが、ローンを差し引いても、最低限の生活に必要な費用が残ることが重要です。
- 勤続年数
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購入する車の金額によるところもありますが、一般的に2年以上の勤続年数があると良いと言われています。
3年以上であれば、勤続年数が問題にされることはないでしょう。
- 雇用形態
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正社員や公務員といった一般的に安定していると言われる立場の人ほど審査は有利に進められます。
一方でアルバイトやパートの方でも、安定収入があると見なされれば審査に通ることもできます。
- 年齢
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基本的には20代よりも30代の方が審査には有利になると言われています。
また社会人になって年数が浅い方がマイカーローンに申し込む場合は保証人が必要になる場合もあります。
返済負担率・他社からの借り入れ状況
返済負担率とは、年収に対してローンの年間返済額が占める割合のことです。この返済負担率も、返済能力があるかを判断する上で重要視される項目です。
年間返済額とは、マイカーローンに加えて住宅ローンやカードローン等のローン全般で返さないといけない額を合わせたものです。
肩書だけ見れば問題がなさそうな人であっても、他社からも多額の借り入れがあったり、車の購入金額が年収に対して高すぎると、ローンの返済額が年収に見合っていないと見なされ、マイカーローンの審査に通ることはできません。
他社からの借り入れというのは、キャッシングやカードローン、ショッピングローン、教育ローンなどすべての借り入れが該当します。
借り入れ状況を見るために、審査を行う会社は信用情報を確認しています。信用情報には個人のキャッシングやローン等の利用歴が記載されており、それらの情報をもとに審査を行います。
そのため借り入れ状況を記入する際に過少申告をしても意味はなく、むしろ信用を失って審査落ちするケースも考えられるため注意が必要です。
ちなみに日本には総量規制と呼ばれる年収の1/3を超える借り入れが禁止している制度がありますが、自動車ローンやマイカーローンは総量規制の対象外になっています。
過去に延滞や金融事故等がないか
ローンの支払い歴などは信用情報に記録されているので、それらで延滞があると、返済能力に問題があるとみなされてしまいます。これは債務整理等の金融事故歴についても同様です。
こういった過去の延滞や金融事故等が信用情報に記載されている状態の方は、基本的にマイカーローンの審査に通ることはできないと言われています。
なお信用情報は一定期間(たいていは5年ほど)が経過すれば消去されるので、信用情報に傷をつけてしまったからといって恒久的にマイカーローンを利用できないわけではありません。
審査に不安がある方であれば、オリエントコーポレーションまたはジャックスを保証会社に指定しているマイカーローンを選ぶと、審査が通りやすいです。
例えば、みずほ銀行マイカーローンは、比較的通りやすいです。
自動車ローン審査に落ちないための対策まとめ
- 返済負担率を自身で計算し、無理のない返済計画を立てておく
- キャッシングやローンなどの残債がある場合、審査に与える影響を最小限にするため、できる範囲で一括返済をしておく
- 勤続年数が短い場合はローンは控えた方が無難
- 申し込みの際に記入する個人情報は正確に記載する
自動車ローンの審査では、個人の属性だけでなく返済負担率の部分が重視されます。事前に返済負担率がどの程度になるのか、自分でも計算しておき無理なく支払いを行えるよう考えておくのがおすすめです。
キャッシングやローン等の残債が多い場合、返済負担率が高くなり返済能力に問題があると見なされる可能性が高くなるため、できる範囲で一括返済等も利用しながら残債を小さくしておくと良いでしょう。
勤続年数が短いと絶対ローンに通らないわけではないですが、ある程度の勤続年数がある方が通りやすいです。
そもそも環境に慣れていない中で多額のローンを背負うのは精神的にも負担が大きいため、最低でも1年ほど経過してから申し込む方が無難と思われます。
また、申し込みの際に記入する情報は正確に記載しましょう。
情報に間違いがあると、故意でなくとも審査に時間が掛かったり、場合によっては審査に落ちてしまう原因にもなります。
中でも借入金額等は全て信用情報を見るとわかるため、虚偽申告を行ってしまうとバレて信用を失ってしまいます。